「あれ、いま片目だけ寄った?」
「歌舞伎の見得(みえ)を切るような表情、面白いな」
生後2〜3ヶ月頃の我が子を見て、
我が家ではそんな風に思っていました。
ネットで調べれば
「赤ちゃんの寄り目はよくあること」
という言葉があふれていて、
「次の4ヶ月検診で聞けばいいか」
と軽く考えていたんです。
ですが、今振り返ると、
あの時の違和感こそが体が発していたサインでした。
この記事では、片目が寄る症状を放置して
後悔した我が家の体験談をお話しします。
同じような違和感を抱えている親御さんの、
一歩踏み出すきっかけになれば幸いです。
赤ちゃんの片目が寄る違和感。「歌舞伎みたいな顔」と笑っていたあの日
我が子の目が「おかしいかも」と最初に思ったのは、
生後2ヶ月から3ヶ月にかけての頃でした。
ふとした瞬間に、
片方の黒目だけがグイッと内側に寄るんです。
その表情がどこかユーモラスで、
家族で「歌舞伎役者みたいだね」なんて
笑い合っていたこともありました。
常に寄っているわけではなく、
「たまに、一瞬だけ」だったので、
深刻な事態だとは夢にも思っていませんでした。
もし、今の「我が家」があの時の自分たちに声をかけられるなら、
「その違和感、笑い事で済ませないで」
と真っ先に伝えたいです。
関連記事:先天性白内障と診断されたらどうなる?診断から手術までの流れ(我が家の体験)
「ネットの情報」を鵜呑みにしてしまった後悔
「赤ちゃん 寄り目」で検索すると、
たいていこんな内容が出てきます。
「生後3〜4ヶ月頃までは視機能が未発達なので、寄り目になるのはよくあること」
我が家はその言葉を読んで、
「あぁ、みんなそうなんだ。なら大丈夫か」
と安心してしまいました。
「わざわざ病院に行って、大げさだと思われたら嫌だな」
という気持ちもあり、
「市から案内がきている4ヶ月検診の時に、ついでに聞いてみればいいや」
と、判断を先延ばしにしてしまったんです。
この「検診まで待とう」という判断を、
我が家は今でも激しく後悔しています。
専門家でも見抜けなかった「追視」という盲点
迎えた4ヶ月検診。
「たまに目が寄るのが気になっていて……」と、
保健師さんや先生に思い切って相談しました。
ですが、返ってきたのは意外な言葉でした。
「赤ちゃんにはよくあることだし、あんまり気にならないけどな」
助産師さんも「しっかり追視(物を目で追うこと)ができているから、見えていそうですね」という反応。
実際、我が子は片方の目はしっかり見えていたため、
検査の動きにしっかり反応できていたんです。
専門家に「大丈夫そう」と言われると、
「やっぱり私の気にしすぎかな」と引き下がりそうになります。
ですが、我が家の胸にある「あの違和感」は消えませんでした。
「なんでもないなら、それに越したことはない」
「でも、もし何かあったら後悔する」
そんな強い思いを伝えた結果、
県内の大きなこども病院への紹介状を書いてもらうことになりました。
大きな病院からの意外な連絡と、判明した病名
紹介状をもらったものの、大きな病院は予約がいっぱいで、
すぐには受診できないという壁にぶつかりました。
ところが、症状を伝えた大きな病院側から、
思いがけない連絡が入ります。
「受診日を待つ間に、近くの小さなクリニックでもいいから先に診てもらってください」
病院側の急を要するような一言に突き動かされるようにして、
我が家は地元の小児眼科へ向かいました。
そこでようやく、我が子の目に起きていることの正体が判明します。
診断名は「先天性白内障」。
ですが、その時の我が家の正直な感想は、
「あぁ、白内障か。手術すれば治るんだな」
という程度のものでした。
専門医との間にあった「共通の認識」
そう思ってしまったのは、診察した先生の反応も影響していたかもしれません。
病気自体が非常に珍しいためか、先生もどこか淡々としていて、
深刻な事態であるというニュアンスは全く感じられなかったんです。
「先生もそう思っているなら、きっと大丈夫なんだ」
専門医と我が家の間で、
「白内障=手術で治るもの」という楽観的な認識が、
図らずも一致してしまっていました。
この先に待ち受けている、
手術だけでは終わらない「視能訓練」という長い道のりの過酷さを、
この時の我が家はまだ知る由もありませんでした。
違和感を大切にしてほしい、という我が家の願い
もし今、この記事を読んでいるあなたが、
お子さんの目に「何か変かも」という
わずかな違和感を感じているとしたら。
あくまで我が家の一例ではありますが、
「検診まで待たずに、一度相談してみる」
という選択肢もあっていいのかな、と思っています。
たとえ「心配しすぎでしたね」と言われたとしても、
それはそれで、親御さんにとって大きな安心材料になるはずです。
医学的な正解は専門の先生にお任せするしかありませんが、
毎日そばにいる家族にしか見えない「一瞬のサイン」があるのも事実です。
我が家のように「あの時、もう少し早く動いていれば」と
あとから振り返って思う親御さんが、一人でも減ることを心から願っています。

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