子どもが先天性白内障と診断され、
手術が必要だと聞いたとき、
すぐに答えを出せる人は多くないと思います。
やったほうがいいのか、
やらないほうがいいのか。
リスクもある中で、
どこまでが「正しい選択」なのか分からなくなることもありました。
この記事では、
実際に手術を決めるまでに迷ったこと、
病院選びで悩んだこと、
そして今振り返って思うことをまとめています。
同じように迷っている人の判断材料のひとつになればと思います。
手術の必要性について整理した考え方は、
「先天性白内障の手術は必要?迷ったときに知っておきたい判断ポイント」でまとめています。
診断された直後の気持ちや状況については、
「先天性白内障と診断されたとき、最初に感じたこと」でまとめています。
すぐに決断できなかった理由
手術が必要だと説明を受けたとき、
すぐに「やります」と決断できたわけではありませんでした。
一番大きかったのは、
「手術をしても、効果がほとんど出ない可能性がある」
と言われたことでした。
体への負担をかけても、
結果につながらないかもしれないという現実は、
簡単に受け入れられるものではありませんでした。
さらに、
手術によって将来的に緑内障のリスクが大きく高まる可能性がある、
という説明もありました。
「手術をしても意味が出ないかもしれない」
それでも別の病気のリスクは上がるかもしれない、
という状況をどう受け止めればいいのか分からず、
気持ちが大きく揺れました。
手術後に必要になるアイパッチ訓練についても、
想像以上に厳しい内容だと知りました。
起きている時間の半分ほどをパッチで覆う必要があり、
実際には途中で続けられなくなる人の方が多い、
という説明も受けました。
当時は、
この可愛い時期の子どもの顔を、
長い時間隠してしまうこと自体がとてもつらく感じていました。
成長の一瞬一瞬を、
自分の判断で制限してしまうことへの迷いも大きかったです。
手術の必要性は頭では理解しながらも、
その先に待っている現実まで含めて考えると、
簡単に決断できる状況ではありませんでした。
それでも手術に踏み切ろうと思った理由
医師からは、
手術をしても結果が出にくい可能性が高いこと、
その理由のひとつとして、
理想とされる手術のタイミングをすでに過ぎていることも説明されました。
先天性白内障、とくに片眼性の場合は、
視力の発達のタイミングとの関係から、
できるだけ早い時期の手術が重要だとされることが多い、
という話もありました。
わが家の場合は、
実際に手術を受けたのは生後6か月を過ぎた時期で、
そのことが「効果が出にくい可能性がある」と説明された
大きな理由のひとつでもありました。
そんな状況の中で、
SNSを通じて実際に手術を受けた人たちの体験を知りました。
「やらなければ視力は良くならない。
でも、やれば可能性は残ると考えて手術を決めた」
「できるかどうかは親が決めることじゃない。
自分が頑張ればいいだけなら、迷わずやる」
そんな言葉に、強く背中を押されました。
また、医師からは難しいと言われていた視力まで回復している例を、
実際の経過として目にしたことで、
「結果が保証されていなくても、可能性を残す選択をしたい」
という気持ちが少しずつ強くなっていきました。
泣いて立ち止まっている場合ではない、
できることがあるなら動くしかない。
そう思えるようになったことが、
手術の必要性を現実として受け止める転機になりました。
情報を集める中で感じたことについては、
「子どもの珍しい病気に直面したとき、情報が少なすぎて困ったこと」にもまとめています。
病院選びで意識したこと
病院を選ぶときに一番重視したのは、
この病気の症例数や手術・対応件数がどれくらいあるか、
そして専門的に診ている医師がいるかどうかでした。
最初は地域のクリニックを受診し、
その後、県内のこども病院に紹介されましたが、
そこには実際に手術を担当できる医師がいないことが分かり、
さらに別の病院へ紹介される流れになりました。
最終的に選んだ病院は、
調べていく中で何度も名前が出てきていた場所でもあり、
「この病気を多く扱っている病院なのだろうな」
という印象を持っていました。
実際に診察を受けたときも、
医師の話し方や説明の仕方から、
経験の多さや現実をきちんと伝えてくれる姿勢が感じられ、
安心して任せられそうだと思えました。
厳しいこともはっきり伝えるけれど、
突き放すような言い方ではなく、
こちらの気持ちも汲み取ってくれる雰囲気があったことも大きかったです。
一方で、一番迷ったのは治療方針そのものです。
小さい子どもの場合、
術後にコンタクトレンズで視力を補う方法を取る病院もあれば、
眼内レンズを入れる選択をする病院もあり、
その後の生活や管理の方法が大きく変わることを知りました。
どちらが正解なのか、
どちらを選んだ人が多いのか、
長期的に見てどう違いが出るのか、
調べても具体的な情報はほとんど見つからず、
判断材料がほぼない状態でした。
「ここで選択を間違えたくない」という気持ちが強く、
正直、かなり緊張しながら決断を迫られていたことを覚えています。
決断するまでに時間をかけた理由
手術を決めるまでにかかった時間は、
振り返ると1週間から2週間ほどだったと思います。
でも、その間は冷静に考えられていたというより、
気持ちの整理がまったく追いつかない状態でした。
生活がどう変わるのか、
これから何が待っているのか、
先のことを考える余裕もなく、
「ごめん」という気持ちばかりが強くて、
泣いて過ごす時間がほとんどでした。
食事もあまり取れず、
短い期間で体重が大きく落ちるほど、
心も体も余裕がない状態だったと思います。
正直に言えば、
はっきりと「よし、やろう」と前向きに決断できた感覚は、
あまりありませんでした。
それでも、
「やらなければ、視力が出る可能性はゼロになる」
という事実だけは、ずっと頭の中に残っていました。
迷いながらでも、
泣きながらでも、
止まっているよりは前に進むしかない。
そう思ったことが、
最終的に手術を選ぶ一番の後押しになりました。
いま振り返って思うこと
今振り返って一番やってよかったと思うのは、
実際に同じ経験をした人の話を聞いたことです。
もちろん、
寝る時間を削って情報を集めたり、
病気について調べたり、
できることはできるだけやりました。
それでも、
文字の情報だけでは埋まらなかった不安や迷いを、
最後に動かしてくれたのは、
実体験を持つ人たちの言葉でした。
結果が保証されていない中でも、
それぞれの状況で悩みながら選択し、
前に進んでいる姿を知ったことで、
「自分たちも、この中の一人として進めばいい」
そう思えるようになった気がします。
後悔しない選択というのは、
間違えないことではなく、
その時にできるだけの情報と向き合い、
逃げずに決めることだったのだと思います。
完璧な答えはなくても、
自分なりに納得して選んだことは、
あとから振り返ったときの支えになると感じています。
迷っている時間はとても苦しかったですが、
あのとき立ち止まらずに考え続けたことは、
今でも自分たちの支えになっています。
もし今、同じように迷っている人がいるなら、
ひとりで抱え込まず、
情報や人の経験を頼りながら、
自分なりの答えを探してほしいと思います。
手術が決まってから実際に進めた入院準備や付き添い体制、生活面の調整については、こちらの記事にまとめています。

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